いつもの食卓を少し特別に。

久しぶりの友人と話をすると今まで気付かなかった、もしくは最近忘れかけていたことに気付かされます。

「葛城ってどんな想いで会社やってるの?食や料理って楽しいの?やりがいあるの?」

そんな類いの質問がシンプルに飛んできた。
そしてその質問にシンプルに回答しようとしたときに答えを認識することができたんです。

起業したのはたくさんの理由があります。
雇用創出や社会貢献などの聞こえのかっこいいものから、自分の力を試したいという自身の欲望的なものまで。
想いは複雑に絡み合っていて表現することは難しい。

「世の中にたくさんあるレシピサイト。他と何が違うの?」

お料理って冷蔵庫の中にある食材を効率よく提供するのが目的じゃない。
「これ作りたい!」ってユーザーが感じた料理を作って欲しい。
冷蔵庫の中身ありきじゃなくてレシピありきの行動。
これが作りたいからスーパーへ行ってもいいじゃないか。
そんな環境ももっと作っていきたいのです。

「写真が綺麗じゃないといけないの?」

お料理の見た目を良くするという行動は、その先にきっと誰かがいます。
食欲をそそらせたい誰かがいます。
「子供のためにつくってあげたい」「旦那さんのためにつくりたい」。
そんな「誰かのために」という行動があるはず。
そこにもっと注視したいと思うのです。

「ひと手間あるお料理の方が良いの?」

もちろん簡単な方が良いです。
誰もが楽をしたい。簡素にしたい。
でも、その人本人にしか出せない味や工夫があるはず。
ひと手間があるはず。
それがその家庭の味だし、いわゆるお袋の味だと思います。

そんな質問に対してシンプルに回答していくわけです。
僕はそこでふと思うんです。
僕が子供の頃は家族団らんの食事の際はテレビは消されました。
食事を通して家族の会話を愉しもうとしている母がいました。
家族間で会話することでお互いを知り家族は助け合う。
そして子供は躾けられ成長していく。

デートだってそう。
「食事に行こう」というのはどこか特別な作業だと思います。
食べることを愉しむことでお互いを知り、関係性を発展させていく。

会社だってそう。
歓送迎会や打ち上げには必ず料理がでてきます。
食事を愉しむことを通して仲間との会話を愉しむ。
チームワークが生まれます。

「食事を愉しむ」ということは非常に重要なんだと思います。
それだけでその場は明るくなり、その場にいる人も明るくなります。
子供のころから現在に至るまでに常に感じていたことに改めて気付いたわけです。

お料理は簡単とか時短とかって目的じゃない(勿論、重要な手段です)
誰かに喜んでもらう、誰かと時間を共にする時の中心となるもの。
ただ口に入れば良いってわけじゃない。

核家族化が進む中で「節約したいから」とか「面倒だから」という理由のみが先行して料理されるのではなくて、「団らん」というキーワードに今一度着目したいのです。

僕が幼い頃より経験してきた「家族団らん」という環境は自身を育て成長させてくれました。
そういう自身の体験を少しでも世の中に広めていけたらと素直に思っています。

だから僕らはいつもの食卓を少し特別にしたいんだと思う。

誰かのために作ったお料理をみんなで愉しむことが人間関係のはじまりなんじゃないか。
そんな人と人とのつながりをもっと大事にするために僕はこの仕事に就いている。

そんなことを考えさせられた夜なのでした。

株式会社OCEAN’S
葛城 嘉紀